ひずみゲージの構造・仕様・形式表示
構造
ひずみゲージは下図のように薄い電気絶縁物（ポリイミド、ポロエステルetc）のベース上に数ミクロンの金属箔を接着し、ゲージパターンのネガマスクに合わせてフォトエッチング法によりゲージパターンをつくり、グリッド部の抵抗が基準抵抗値に調整された構造となっています。また、一般的なひずみゲージは金属箔の抵抗温度係数をコントロールし、被測定材の線膨張係数に合わせた自己温度補償型ゲージであるため、補償母材（普通鋼／11 ppm、ステンレス鋼／16 ppm、アルミ合金／23 ppm）での計測では温度による影響を少なくすることが可能になります。
基本仕様
下記一覧表はベース材質（ポリエステル系／ポリイミド系）により区分しています。主に、FAシリーズは豊富な種類を用意しておりますので一般的なひずみ計測用として、MAシリーズは中高温でのひずみ計測やひずみゲージを利用した各種センサー用としてご利用いただけます。 型式名と定格・寸法・周波数特性・質量（単位：mm）| 項 目 | FAシリーズ | MAシリーズ | 単位・備考 |
|---|---|---|---|
| グリッド長さ | 0.3～60 | 0.3～60 | mm |
| ゲージ抵抗値 | 公称抵抗値±0.3 ％ | 公称抵抗値±0.3 ％ | 120～1000 Ω |
| ゲージ材質 | アドバンス箔 | アドバンス箔 | |
| ベース材質 | ポリエステル系 | ポリイミド系 | |
| ゲージ率 | 公称：2.00 | 公称：2.00 | 1.90～2.10 |
| 最大ひずみ測定範囲 | 2～4 ％ | 2～4 ％ | ～10 ％ ( 塑性 ゲージ) |
| 使用温度範囲 | －30～＋80 ℃ | －30～＋180 ℃ | |
| 熱出力 | ±2 μst/℃（RT～＋80 ℃） | ±2 μst/℃（RT～＋80 ℃） ±5μst/℃(＋160℃～) | （温度補償範囲） |
| 温度によるゲージ率変化 | ±0.015 ％/℃ | ±0.015 ％/℃ | |
| 疲労寿命 | 1×105 回以上 | 1×105 回以上 | at ±1000×106 strain |
| 温度補償母材 | 普通鋼 ステンレス鋼 アルミ合金 | 普通鋼 ステンレス鋼 アルミ合金 | 10.8 ppm/℃ 16.2 ppm/℃ 23.4 ppm/℃ |
形式表示
株式会社 昭和測器のひずみゲージ形式表示は、基本パターンをベースにベース材質・箔材質・ゲージ長さ等の各種仕様を明示した形で決定されています。
- 単軸ゲージの平行ビニール線色は標準で緑/Eです。※ご要求に応じてケーブル色の変更が可能。
- ２軸ゲージの平行ビニール線色は緑/Eと赤/Rです。
- ３軸ゲージの平行ビニール線色は緑/Eと赤/Rと白/Wです。
- ２軸及び３軸ゲージでは色記号が付きません。（例：VS1,VS3…）